ひとつだけ残った蕪の根っこ
セロリの端っぽもあった
昨日使った白舞茸の根元の方も入れてしまおう
塩して、自身の鶏脂で香ばしく焼き上げた
骨付きもも肉の美味しさが
一緒のお鍋で火を入れた
射手矢農園の玉葱や、千葉の小蕪の美味しさが
全部こびりついたお鍋の中に入って
お肉をひいたあの、大きな一羽の
最後に残った「おいしいところ」でひいたスープを注いで、渾沌
味付け、一切不要。
素材のチカラと仕事を信頼しているから
敢えてブーストさせる事など、蛇足
弱ったカラダに活力と
弱っている胃袋にやさしく
お米をひと握り
仕上げに落とし卵、しよう
地味を通り越して、美味しそうか?も微妙な佇まい
だけれど
ひと匙、口に運んで味わうと
カラダがスナオに喜ぶのがわかる
暖かい料理だから、というのもあるけれど
ホッとする
十何時間もファスティングしていたカラダには
素材の出汁だけで充分な「回復食」
お水じゃないな、お茶を淹れよう
丁寧に淹れたお茶を用意しよう
最後に落とし卵と絡めて食べたら
流石、ひとつの生物になる「種」なんだなぁ。と
分不相応なくらい
このお皿の中と、自分のカラダへのアタックが強い
「なんともなく」
茹で卵や、目玉焼きを食べている時の自分は
どんな心象状況なのだろう?
と、ふと考えが過る
「囁くような」素材たちの声を感じられるくらい、が
「聞こえる」カラダと、ココロ模様くらいが、丁度よいのかな
素材に対する、そこに関わる方々へ
じんわり。と感謝を感じる
ひと皿と茶の二杯くらいで
こんなにココロまで穏やかになれるのだから
素材たちのチカラ
ちゃんと耳を傾けて生きていたい
頂く事で
改めて、素材たちへの感謝が湧く、ひと皿。といふおはなし