今のご時世、奇跡と言ってもいい
利尻の、産地名明記、天然、三年熟成の昆布
シンプルにしてその凄みを楽しんで頂くために
毎週土曜日、来店されるお客様のメインに使いました
素材は
小笠原産尾長鯛のアタマとカマ
丁寧に下処理して軽く塩をまわし
晒しを巻いて、余分な水分等を抜き
召し上がる鉢に魚と
水で戻した昆布を水ごと加え
二十分ほどしっかり蒸します
魚と、昆布と、水。だけ
直火と違って煮立てない
水蒸気の温度で
素材の持っている味わいだけを
器の中で交錯させる、だけ
最初に決めた事を覆す事は出来ない、料理
ですが
味見をした時
ただそれだけで
スルスルと身体に沁みる出汁
信じられるのは、
確かなお魚
確かな昆布
確かな塩
それだけ
更に、
久方振りに昆布の衝撃に溜息ばかり、です
昨今のモヤモヤがスッと晴れるよう
例えるなら今宵
中秋の名月が
雲から神々しい姿を現したかのように