うのすけ 日本乃御酒アレコレ
2月 福島さんの高倉だいこん「うのすけそざいばなし(1)」

福島さんの高倉だいこん「うのすけそざいばなし(1)」

八王子で江戸東京野菜を中心に、在来品種のお野菜を
無農薬・無肥料(収穫後の野菜の枝葉等を土に還していく、草生栽培です)
それも、自家採種で種取りまでご自分でされている
福島 秀史さん

福島さんと、福島さんのご親戚筋、おふたりしかつくっていないという
高倉だいこん

他の何とも変えがたいくらい
大根自体が甘みと旨味を持っている
どころか、炊いたお汁に「大根出汁」が溢れている
大根自体に、豊かな旨味が詰まっている、ということ

塩ひとつまみいれて、お水から炊いただけで
こんなに滋味溢れるだいこん、はじめて
いわゆる「大根くささ」もまったくない

どれだけ違うんだろう。と
福島さんがつくる、これまた江戸東京野菜の、大蔵だいこんも同じように炊いてみる(写真右・半月型)

風味は歴然!
大蔵だいこんは大蔵だいこんなりの、味の複雑みがあって
コレはまた、しっかりした煮付けや、強い味を絡めてみたい風味
麻婆大根でもつくってみたい!!

大根それぞれでこれだけ個性がハッキリしているものなのか!と
びっくりさせられっぱなしです
福島さんのお野菜は

均等なカタチが取れない端っこや成長の過程で割れてしまったものは
スライスして干して、花切大根、切り干しです

煮物や汁物にも使えますが、しょぼろ納豆(そぼろ納豆)つくってみたいな

福島さんからわけていただいた、自家製の丸干しだいこんが余りにも美味しくて
自分でもつくってみました

吊るしてあるのに、なんか絵になってしまう
高橋由一がみたら、あの鮭のように絵にしてくれるかな(笑

程よく乾いたら塩揉みして、たくあん風にします

たくあんが甘いのって、この大根の持つ甘さを求めていたのかな、って
思う「甘さ」が、高倉だいこんにはあります

正直、大根は好きでしたが、心から
「おいしいぃぃ〜!!」って感じて大根自体を食べたの
どれくらいぶりか、ってくらいの衝撃でした

そろそろ終わりの季節ですが、あるうちは多くの人に召し上がって頂けるよう
ご用意しておきたい、と思います

福島さんと出会ったのは一年前の三月
基本、おひとりでやられているので、八王子と五日市の真ん中くらいの
川口という土地まで、電車でコトコト、更にバスでコトコト
通って、お野菜をわけてもらっています

いずれ、福島さんのことも、ここでお話しできれば、と……