【同じ素材でも、同じものの量産をしたくない理由があるんだ。】といふおはなし
先日土曜日のご予約は、旬に入ってきた「真鱈」でした
カタチを整えられる部位ではない部分を総て鍋にしたのは
前回お伝えした通り
ですが
急なご予約がはいったので「肉としてカタチを整えられた」部分で
真鱈に米粉をはたいてフリットにして
三関芹の軸の部分を炒めて
魚醤と水で詰めて、ソース
柔らかな葉っぱの部分と
お魚にとてもあう、ディルをあわせたサラダをたっぷり
当初は淡白な白身をカリッと揚げて
寒いし、冬野菜いっぱいのあんかけ仕立てにしようか、と考えました
ですが、
このお皿を提供するお客様は
お酒を一緒に楽しまれるのもご希望で来店されています
ゆっくりお食事を楽しみながら
お酒をあわせていく、のを考えると
あんかけで仕上げる事で
真鱈のフリットの食感が変わってしまったり
冷めてしまうことでの「意図しない」味の変化を懸念しました
ソースもフリット自体にかからないようにして
お客様の召し上がるペースで添えて頂けるように
風味の強い、芹とディルも然り
途中でお酒を変えても
お皿の中の諸要素を組み合わせ
最後まで楽しんで頂けるように
お酒を共に楽しむ、お皿
ご飯と共に召し上がる、お皿
そして
お客様のペース
ソレらを考えると
提案する料理も、厳密には変わってくるのかな、と
同じ素材が揃っても
ご予約されたお客様、そこで望まれる事によって
提供されるお皿が変わります
そんな「うのすけ」です