【地味、だけど滋味。ジワっと美味しいもの】のおはなし
先日の、昆布を運んでくださった方々の宴で出したひと品
お手伝いに行った、三芳の農家さんで分けて頂いた
小粒のメイクイーン
皮ごと召し上がって頂くために
先ずは油で揚げ焼き
「地元の知人から貰った」という不揃いな昆布でとったお出汁に
Ark館ヶ森牧場の豚つくった
シェンケルシンケン(赤身のベーコンのようなお肉)と
揚げたメイクイーンを入れてコトコト
味付けは、ベーコンと昆布から頂いたものだけ
出たものをゆっくり、お芋含ませていきます
お芋はお芋で召し上がって頂きます
コトコト煮てもまだまだしっかりしている昆布を角切りに
ベーコンは細かく千切りにして
少し残したお出汁で煮詰めていきます
所謂「つくだに」の手法
美味しいところを全部、素材に戻します
ツマミ食いしましたがコレが
見た目地味なのに、箸が止まらない
常々、昆布で豚肉煮ると
お肉も昆布も美味しいなぁ。って思っていましたが
加工肉になってより、旨味が増えたのでしょうか
お出汁を含んだお芋の美味しさは、
お芋とお出汁の美味しさ
お出汁の素材に、素材から出た味わいと
お芋さんと交わった美味しさを
素材は同じでも
比率が変わると、全く違う美味しさが味わえます
見た目は【地味】ですが。
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こういうご時世の前は、素材もふんだんに常備していて
突飛だったり、華やかな料理もつくっていたのですが
「待ち稼業」に付き合わせて廃棄させた素材たちをいっぱいつくってしまい
予約を頂いた時にはリクエストにあわせて素材を増やしますが
急なご連絡を頂くと、常備出来ているものでアレコレ誂える事になり
最近は見た目が地味な料理が増えました
ですが。
おかげさまで
天然の昆布や、近海一本釣りの鰹の本枯節
確かな野菜、保存食に加工した肉
何を質問しても答えられる生産者さんの卵
生活排水が一切入らない土地でつくったお米
近所に美味しいお豆腐屋さんに海苔屋さん、など
ホッとする美味しいものは揃っています
寧ろ。
それぞれちゃんと。しているので
料理人としての修行経験のない自分では
いぢくりすぎると彼等の良さを台無しにしかねないな、と
故に
彼等の声を聴いて
出来るだけシンプルに
関わった食材たちがそれぞれ活きますように
少しばかりそのお手伝いをさせて頂く感じで
アナタのお皿を誂えています