うのすけ 日本乃御酒アレコレ
10月 うのすけてしごと【十三年目五十七日】

うのすけてしごと【十三年目五十七日】

【改めて、シンプルほど奥深いはないなぁ。】といふおはなし

久方振りの急なご来店予告で
ちょっとしたものはチョコチョコとお出し出来るのだけれど
世間は夕食の頃合い

少しオナカがあったまるようなものでも、と
コレまた久方振りに、だし巻き卵を巻いてみた

昆布出汁がひけていたので
お客様とお話しながら、鰹の本枯節を鰹節削りで掻き
細かいのをお出汁とあわせ

調味は塩少々に、#しろたまり
お客様が東北の方の出身なので、しっかり目の味が好みなのもあり
しろたまり以外、砂糖や味醂を加えない分、平素より少し多め
出汁の量は多め、ジュワふわを目指します

卵は、ワタナベファーム
濃厚で黄身に甘味がある「ひより」3玉
しろたまりの甘さにも負けない、しっかりした味の卵を使いたい

しっかり油を回した卵焼き鍋で
テンポよく、出汁を留めて焼き上げるように

アツアツを急いでお客様の前に

「卯乃助さんも一緒に食べよ」

と言われたので少し頂きました

が、

自分がいちばん感動した、京都の仕出屋さん
「菱岩」さんのだし巻きの「じゅわ」感
そして、卵の風味と、調味料とのバランス

うーむ。

アレではない
(当然といえば当然、なのですw
お弁当、仕出しとして、冷めてから頂く設計で考えられているのですから

とはいえ。

改めて

「イメージするだし巻き卵は、どんなのか」

「どんなだし巻き卵を、アナタにご提案するか」

に向かって

卵の選び方

味のバランス

出汁と卵の割合

火の加減

今日の気候、温度……

シンプルだからこそ
もっともっとひとつひとつの事象を
疎かにせず、知った気にならず、
既存の理論甘んじず

機会あるごとに考えを尽くして
当たりたい。と思いました

シンプル故に
気付かされる事の多いこと……