うのすけ 日本乃御酒アレコレ
4月 うのすけてしごと【十三年 二百四十二日目】

うのすけてしごと【十三年 二百四十二日目】

同じ料理でも

お客様の嗜好や、お召し上がりになる量
飲まれているお酒や、料理の進行によって
若干の “手直し” を加える事があります

昨日、タイミング違いでいらしたお客様に
同時のタイミングで提供した

甲烏賊とフェンネルマリネ スパイス風味

野菜、魚と相性のよいミックススパイス
“パンチフォロン”をテンパリングして
程よく油に香りが移り、熱いところを
薄くスライスしておいた、葉玉ねぎの白い結球の部分と
刻んだフェンネルの緑色の軸部分等にかけて混ぜ合わせておきます

油で和えてから塩、そして酢を程々

切れ目を入れた甲烏賊の身を
高温の油でサッと火を入れたのを
香味油と和えた野菜たちと和えます

先にお越しになったお客様は
ヤリイカと山菜のアヒージョを召し上がっておられるのと
突き出しでご提供した料理で「クミンが好き、スパイスが好き」と

なので、
スパイスがタップリ絡んだ野菜と
フレッシュのフェンネルを刻んだのをたっぷり
酢も少し増やし、しつこくなくお野菜をたっぷりと召し上がって頂く仕立てに

後から来たお客様は
オナカぺこぺこ、帰る時間が決まっているので
甲烏賊を少しだけ多めに
甲烏賊の旨みととても相性がよいのと
フレッシュのフェンネルリーフを多めに

突き出しの次の、最初のお皿なので
スパイスが絡む部分は控えめ

「再現性があるものを出してこそ」

「共有出来るものを出すこそ」

と、
飲食店で提供するお皿について言われる事があります

が。

「うのすけ」としては

お客様が主役であること

主役が活き活きとすること

その、お手伝い、黒子が「店主」

「再現性があるもの」ということであれば

「軸」「メソッド」は同じにして
主役である、お客様の体調や諸々
今日の気候、素材の状態にあわせて
ご提案をする

ソレが、「うのすけ流」

平たく言えば

同じようであっても
前回と、今回と
同じものは

出せません

だって

素材だって、あの時と同じイノチではないのですから

唯一無二。の、一期一会。を

毎回挑戦していきます